スリット画(透過)No.1 (FUJIMOCK 2014)

Created Date: 2015-03-17/ updated date: 2018-03-13
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Summary
FUJIMOCK2014の作品1の製作過程です。ヒノキ材で絵を描きたいと思い、染色や彫りをいろいろ試してみましたがすべて失敗しました。そこで考え方を少し変えて、レーザーカットで精密なカットができるという特性を最大限に活かして、画像の濃淡に合わせて変化させたスリットをカットして、背面からの光を透過させることで絵を浮かぶようなことを考えました。しかし、目的とするスリットパターンを自動作成できるソフトが世の中にないようなので、自分の仕事能力の一部を使って専用ソフトウェア(Slit Light Creator)を作成して実現させました。日本家屋の欄間の一部に、こそっとスリット絵が入るなんていいなと思っている。

Materials

    Tools

      Blueprints

        Making

        • この方法にたどり着くまで、いろいろな方法を試して失敗しました。
          • 表面を染色剤で染める(藍染など)
            木目により表面しか染まらない。サンドで磨くと染めた部分が消えてしまう。
            但し垂直方向には数ミリの深さまで浸透する(これは別作品で利用する)
          • 木板をレーザーで彫って光を透過させてみる(例はアガチス材)
            かなりの薄さにしないと光が透過しないし焼き切れてしまう。
            また赤色は透過しやすいが、他の色は透過しにくい。
            木目が垂直の場合には、透過しやすい傾向がある
        • 方法を考え直し・・
          背面からの光の量で絵を表現しているものが世の中にあるが(スリットや穴)、ほとんどが濃淡表現できていない。そこでレーザーカッターの精度を当てにして、画像の濃淡をスリット幅を変えて光量変化させることで濃淡絵を出すことに挑戦してみる
        • スリットカットデータを専用ソフトSlit Light Creator V1.01 (インストーラー形式) で作成します。
          画像データは、境界がはっきりしているものがいいようです。
          Slit Light Creator V1.01 (English version)
          • 画像データ(BMPあるいはJPG形式)を読み出します。
            画像分解能は荒いもので十分です。スリット方向に画像イメージが多い場合には、画像編集ソフトで少し傾けるなどすると良いです。
          • 設定メニューの設定..画面でカット条件をセットします。
            最小残し幅は1/4、外枠残し幅を10%にします。
          • 設定メニューのカット方式で指定します。
            スリットは垂直方向を指定します。
            (視覚の特性を考えると視差を得る垂直スリットが有効です)
          • 読み込めばすぐに設定条件に応じたカットイメージが右側に表示されます。
          • スリットの横数が分解能になります。
            設定メニューのグリッド横サイズで指定します。
            今回は64で指定します。
        • レーザーカッターでカットするためのデータ準備と材料を用意します
        • レーザーカッターでカットします
          • 板をスリットと木目が同じ方向になるようにセットして、パターンをカットします。
            今回のデータでは約14~16分くらいかかりました。
            ちゃんと比較はしていませんが、水分が多いほどレーザーカットのパワーが少なくてすむ感じがします。
          • カット後は細かいスリットが完全にぬけていないのでツマドラなどを使用してすべてのスリットをきれいに抜きます。乾燥した段階で、表面を注意深く紙やすりできれいに仕上げていきます。(スリットが折れやすいので注意!)
        • フレームをつけて完成です。光を通して角度をいろいろ変えると見え方が変わります。目で見るよりカメラで撮影した方が絵がきれいに見えます。これは人は両眼で見るので視差でスリットの見え方が異なるため。片目で見るときれいに見えます。
          • 市販されている3mmヒノキ板(柾目?)で作ってみました。水分の浸透が弱いので十分に時間をかけて水分を含ませる必要があります。
          • 実験的に2mmの丸木板にスリットを入れてみました。(鎌倉セッションDAY1で試行)
            スリットが弱く、曲がってしまうので、あまりきれいに見えません。
          • 問題点をいくつか(改善が必要)
            ・強度が弱い
             スリットが細いので落としてスリットが割れる場合がある
            ・材料を選ぶ
             レーザーパワーとの関係で柔らかい木材での3mm~5mmが限界。
             燃えない工夫で厚い板や薄い板でできないか?
            ・横幅が目の方向で制限される
             分割出力する工夫

        • 濃淡がないような画像(文字など)の場合には、設定を少し変える必要があります。
          • グリッドサイズを40、最小残し幅を1/3にして、少し荒いスリットにします。
          • 6面をスリット文字で作成して、50mmキューブを作成しました。
            材料はアガチス材(3mm)です。湿らせないでカットしました。
            キューブに組み立てて、煙で燻して少し古さを出してみました。

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        References

          Usages

          • 鎌倉発の工芸品?

            鎌倉で観光した写真をスリット絵にして送るサービスは有り?
            規格化したフレームを作っておいて、その大きさに合わせたスリット絵を切り出せば可能でしょう。需要があるかわかりませんが・・
            紙やすりなどの磨きセットをつけて、きれいにまとめるのは自分自身でやってもらえれば愛着がわくでしょう。

          • 1.1mmのシナ合板で作成

            1.1mm厚のシナ合板(3層)で作成しました。薄いので見る角度の範囲が広がります。また合板なので板の変形も少なく強度的に安心できそうです。
          • ワイアレスでLED点灯する板に組み込む

            ワイアレス伝送でLED点灯する板にスリット画をはめこんでみた。LEDの光を全面に誘導するためにアクリル板を裏に置いている。右上の赤い光位置にLEDが1個埋め込まれている。スリットは48スリットと少な目にしている。
          • 日にかざすとはっきり

            日光にかざして壁に映すと、さらにはっきり見えます。
            これはMDF4mm材を少し大きめのレーザーカッターで作ったものです。
            MDFは方向に癖がないので曲がりにくいので、パワーのあるレーザーカッターがあれば作ってみると良いです。
            日光以外でも単LEDの懐中電灯でも可能です。複数光源のランプではぼけて見えません。

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